Posted by on 2020年12月29日 in お稽古日記
令和2年12月 お稽古日記

2020年が終わろうとしています。目に見えない不気味な敵をどこかに意識しながらも普段の生活に追われ、時折これはいったいなんなのだろう、いつまで続くのだろうと、答えの見つからないことを考えたり・・・そんな一年が過ぎました。

12月、貴人点や台天目、長緒や四滴、旅箪笥での入子点など、充実した稽古をすることができました。最後には皆様からのお心遣いへのお返しに、台子の濃茶を差し上げ、また台子での員茶を行い、お食事会でひと時を楽しむこともできました。

誰一人として体調が悪い方もなく、神様のご加護に感謝して、このひと月を終えることができました事を嬉しく思っております。

「寂」という、動じない心を学ぶことも、茶の湯の徳の一つです。平然と、淡々と、常と同じ心持で毎日をこなす、これができれば何よりです。これはコロナに始まったことではなく、心を乱す全てのことに対してそのようにいられたら、生き方も変わってくるのではないでしょうか。

信頼している、尊敬している、そのお姿だけでものを語られる、ある京都の和尚さまは、淡々と畑仕事をされ、こつこつと務めを果たされておられると伺いました。その無言の後ろ姿を想像し、ああ、そうならねばならないと、反省しています。

来年、お家元もお初釜を控えられるとのこと、当庵もそれにならいました。芳月会は日にちが先なので、もう少し様子をみます。しかし、安全と安心を、更なる厳しい心がけと万全の準備によって実際の形にできるように、細部にわたって対応を考えております。新年という寿ぎの時、祝いの会を不幸の始まりにしないために、無理なことをやめて平常を保とうと思っております。

どうぞ会員の皆様には、穏やかな年末をお過ごしいただき、少しでも明るい希望のある新年をお迎えになられます事を、お祈り申し上げております。

一年間、素敵な時間を、有難うございました。

令和2年12月28日 畑中香名子