Posted by on 2016年10月9日 in お稽古日記
平成28年9月 お稽古日記

玄関を出ると、ふっと金木犀の香りがしました。
「秋が来た」と、思う瞬間です。
子供の頃この花が大好きで、秋生まれの私の花だと、勝手に決めつけていたのを思い出します。

9月も、無事に稽古が終わりました。この月は名水点や茶通箱の他に、茶箱の和敬点や雪点前をしました。花月もそれにちなんだものを行い、箱の訓練になりました。

今回は三回目の稽古の際、岐阜の澤田屋より、柿と栗のお菓子を取り寄せました。二種類のお菓子を試食したところどちらも美味しかったので、小さくして二つともお出ししました。いかがだったでしょうか?
日頃頼んでいる若柳のお菓子もそうですが、日本の和菓子、特に茶の湯の菓子は、その豊かな表現力と日本語のキュンとくる銘に心を打たれます。「初雁」は、葛の中に黒糖餡で夜のイメージを作り、かすかに見えるゆり根の白が最初に飛んできた雁を表わします。時計もカレンダーも無い時代に、闇の中に響く雁の一声を耳にして「秋が来た」と感じていた古の人々・・・この様なお菓子を見る度に、和菓子の奥ゆかしさの中に在る確かな存在感を感じずにはいられません。私が!私が!ではない、茶室空間の全ての物や人の中に見事に調和して、その一部となっている和菓子。日本文化の大きな象徴であります。

今月は、主催茶事として行いました立礼の菓子茶事に、「風の心」で連載しました、足を怪我したIさんが来てくださいました。こんなに嬉しい事はありませんでした。私たちの大切な大切なお弟子さんです。たとえ今稽古が出来なくても、こうして共に笑い、共に言葉を交わし、共に一碗を味わうことが出来る喜びを、他の何にも変えることは出来ません。心から、有難うございました!

月初めには研修旅行で北海道へ、その後研究会ではKちゃんが初炭に出場してMさんHさんと共に素晴らしいモデル役を無事果たしました。また、禅の勉強についてのお話も、曜日によって少しさせて頂きました。
学ぶことは楽しいこと!そう感じて頂けるよう、益々努力致します。

平成28年9月30日 畑中香名子