「期末」と呼ばれる3月が終わりました。
稽古にいらして下さっている皆様には、社内で職場が変わったり、全く新しい仕事に着いたり、学校を卒業されたり、といった大きな環境の変化があった方も多いようです。主婦の方々でも、お孫さんの成長やそのステップアップに関わったり、ご主人様のご体調を心配されながら町の制度の切り替わりに対応したり、やはり何となく「期末」の慌ただしさを感じていらっしゃる様子です。
このような、普段に比べて物事が大きく動くときは、嬉しさと不安、楽しみと心配などが共存し、自然と感情のコントロールも必要になります。ひと時、畳に座り、湯が柄杓から落ちてゆく音を聞き、その姿を見つめ、止まる時間を持つのも良いものです。
湯気の温かさ、香りの心地よさ、静寂の空気に酔いしれて、自分というものがゆっくりとわかってくる瞬間があります。「改めて物事を考え直す力を生む」からこそ、茶の湯が戦国の古の時よりずっと、明治以降今日に至るまで、経済界の要人たちに愛されたのかも知れません。そんな茶の湯をしたいものですね。
いい時間を皆様に提供し、自然体で心の動きに対応してゆける、それがこの稽古場の良さだと、自負しています。
この3月は、本当に早い一カ月でした。あるバスケットボールチームの成長に少しだけかかわらせて頂き、17年間封印していたダイビングを復活させ、子供達の卒業と初めての家族だけ旅行、本質を突いたお寺の修行・・・仕事と異なる世界で無になってみて、分かったことがたくさんありました。その分大学院の勉強は溜まり苦しみ、仕事も薄くなりましたが、「自分」を考える良い時間となりました。気持ちはただただ、有り難いばかりです。
今度は、皆様にとってそうなるようなお茶の時間を作れるよう、再び日々努力と精進を重ねたいと思っております。
平成29年3月31日 畑中香名子


