炉の最後の季節が終わりました。名残惜しいと思いつつ、新しい風炉の風を期待しながら、炉ふさぎを行いました。
4月は、久しぶりに怪我をしてしまい、皆様にもご迷惑をお掛け致しましたこと、お詫び申し上げます。いつも走り続け、頭がくるくる動き、慌てている生活から、「ゆとり」の生活へシフトすることも大切だと、初めて痛感しました。何を削り、心休まる時間をどのように取るか、模索するのが楽しいと感じています。
さて、今月は廻り炭を致しました。火箸を上手に使って炭を幾つも掴むことに必死になっていた稽古から、先ず火箸が持てるかどうかという稽古に代わってきている現代です。それにしても利休さん時代から行われていた幾つかの式の内の一つである廻り炭は、果たして今日のように曲芸を求めて行われていたのでしょうか?いったい炉の中に何を見ようとしたのでしょうか?生活の中に常に炭がある時代、その炭を炉に置く行為に求めていたものは何か、もう一度考えることも大切ですね。稽古ではそのような議論がとても楽しいです。また、全体の流れは、後炭所望や初炭等をバランスよくミックスさせ、更に埋め火の所作や半田の扱いなどを加えて構成されているのが見えてくると、覚えなくても考えながらできるようになります。炭がいかに奥の深い世界であるか、炉の最後にしっかりと心にとめることが出来たのではないでしょうか。
別の稽古で五事式を行ったこともあり、濃茶付花月では薄茶の菓子付花月を加えてアレンジの勉強をしました。この様な応用を行う際は、それぞれの基本をしっかり身に付けた上で、更にこうしたいならこれが先でこれが後になる、この位置にこう動いてからこうなるなど、理論で作り上げてゆきます。スマートな応用を試みるには、日頃の稽古を丸覚えではなく論で理解しておかないと、出来なくなるということです。これらを作り上げた方々の思考は、ものすごく繊細でしつこいくらい理論的で、それでいてすっと抜いて洒落を入れるのです。これが古の茶人の発想か、と驚かされます。このお話はまた何れ・・・。
4月末から5月にかけて、大円真の茶事にお越し下さった方々にも、この場を借りて御礼申し上げます。有難うございました。
5月からは、再び風炉の稽古が始まります。知ると面白いことがたくさんあります。新しく入られた皆様も共に、学びを深めましょう。本当に楽しいですよ!
平成29年4月30日 畑中香名子


