残暑も終わりに近づいています。各地での天災に、心からお悔やみ申し上げます。
8月は、追善の茶事を行い、和巾や茶箱の月点前を頑張りました。
追善の茶事では、供茶や供香の所作を学び、御弔いの心を表現する工夫を実践しました。皆様いかがでしたでしょうか?
和巾の稽古では、江戸末期に茶を献上された玄々斎の功績を振り返り、その後行われた和巾点での茶事について、会記に記されている内容等をお話しました。それらを踏まえて点前の稽古をすることで、よりその意味を正確に捉える事が出来ます。茶箱の月点前は、奥伝に近い要素も含まれ、香を焚く手順の理由も、古を知ると良く分かります。茶箱の世界に用意された羽と香合の意味、これは月点前の大きな意義でもあります。また来月も、和敬点など行う予定です。そのお話もお楽しみに。
月末は鹿児島へ、戦死した祖父の慰霊祭に行きました。戦地での壮絶な生活と苦しみ、残された家族の苦労、それを想い何のご恩返しも出来ぬ事申し訳ないという祖父の遺書・・・多くを振り返り考える夏の終わりでした。「平和」という言葉の重みを知るには、平和でない時の事を知らなければなりません。私達は、もっともっと積極的に知ろうとすることで、これからを考える力をつけるべきであると、深く感じました。
帰りに指宿に泊まり、初めて砂温泉に入りました。傷んでいる腰を始めとして、全身がゆっくりとポカポカに。意外と砂が重かったです。夜8時過ぎに行ったので、空いているのと波音が聞こえる静かな夜の海の空間に、大変居心地が良かったです。これは絶対夜がおすすめです。真っ暗な波打ち際に、湯気が上がっているのが印象的でした。また、薩摩伝承館(白水館敷地内)に、薩摩焼を始めとする中国、韓国他の焼物や美術品を見に行きました。金彩の美しい薩摩焼の巨大な壺などを、イギリス、フランスの貴族たちが買い求め、それらの作品の里帰り。建物は平等院鳳凰堂を写している和風ですが(水に浮かんでいます)、中は広い宮殿ほどある空間に作品がシンメトリーに置かれ、異国の飾り方をそのままにして展示してあるのが他にない形で、大変心に残りました。図柄について、京薩摩は純和風、薩摩は中国と日本のミックス風、その他にも金沢薩摩、横浜薩摩等、知らない薩摩がたくさんありました。日本の刺繍の着物の生地で作ったフランスのドレスも素晴らしく、薩摩焼のボタンを指輪に仕立てて使われていた物など、美の捉え方の幅広さを感じるものでした。HPのフォトギャラリーをご覧いただくと良いと思います。
筆は尽きませんが、この辺で終わります。是非皆様も鹿児島へいかがでしょう。
平成28年8月31日 畑中 香名子


