Posted by on 2019年12月7日 in お稽古日記
令和元年11月 お稽古日記

11月の稽古が終わりました。
今年も無事に、お社中の皆様と笑顔で炉開きを行うことが出来ました。
所用で稽古をお休みする日も多かった10月を終え、稽古場に座って皆様と会話し、点前を追求し、心を見つめなおす時間を持てることに、心から喜びと感謝を感じます。

「亥」とは火から守る神様といいます。
現代でも、火災は最も恐ろしいことの一つですが、江戸時代の人々も同じく、炉を開ける危険を深く感じていたものと思います。だからこそ「亥」の日を選ぶことが必然で、また火のある所には水の卦も置きます。無事に炉を開けられる喜びは、今日以上だったでしょう。そうやって、人々はまた半年この時期を楽しみ、茶の湯によって人と人の心を結んできました。

450年以上も続くこの一碗を味わう時、「美味しい」と思うだけで、「ほっとする」と感じるだけで、「幸せだな」と心に響くだけで、また次の一碗へ続いている・・・。
瞳を閉じると、そんな風に稽古を重ねてきた三十年の日々が脳裏を巡ります。
論述する事では語りきれない、その畳に座った者だけが、そんな日々を重ねた者だけが感じ得る・・・お茶があります。
また半年、そのような時間を、社中の皆様と共に過ごして参りたいと思っております。炉の季節を思い切り楽しんで下さい。皆様の笑顔を想いながら・・・。

令和元年11月30日 畑中香名子