桜の木の下では、美しく繊細なその花びらが風に舞い、いつの間にか若葉の香りが漂っておりました。2021年の三分の一が終わってしまった4月、皆様と稽古の日々を重ねることができました事に、深く感謝致しております。
見えない敵を前に、人間の力の頼りなさと凄さ、自然の力の怖さと優しさを感じております。そんな中で、畳に座り、床の間の短冊の言葉に胸打たれ、その茶花に魅せられて、一服の茶を点てる皆様のお姿を見つめる。指先の動きとそこに付いてくる帛紗のしなやかな姿、凛と立つ背中と身のこなしの美しさ、静かに伝わる所作の間合いの心地よさ、見えない呼吸を空気で感じる距離感・・・
茶の湯とは何か、お茶を始めた時からのこの課題を忘れるくらい、今は無心で稽古の時間を過ごしています。こんな時間を持てるのも、こんなことを考えられるのも、皆様がいらして下さるお陰様。有難きことと、痛感しています。
炉の間、稽古ができなかった期間が長かったため、4月は四ケ伝のオンパレード。また、廻り炭で炭と格闘し、向切り、台目切りなどの稽古も行いました。炉の最後にこうして炉の時期にしか勉強できない科目をしっかり行えたことは、一安心でした。
来月から風炉がスタートです。再び一に戻って、心新たに気持ちの良い音、爽やかな香りを、皆様と共に感じていきたいと思っております。
令和3年4月30日 畑中香名子


